Yahoo!ニュースで見かけた任天堂の株主総会の記事がとても心に響きました。我が家でも、次男がNintendo Switchを使って見知らぬ友達とゲームをしているので、任天堂さんはとても馴染みがあります。かくいう私もかつて、ファミコンやスーパーファミコンでドラクエやファイナルファンタジーを夢中になってやった記憶があります。
「好きなゲームを教えてほしい」重役たちの答え
この6月は3月決算の多くの企業が株主総会を開き、色々と荒れたという話がニュースになっていました。その中にあって、この任天堂さんの株主総会のニュースは一ユーザーの自分にとっても嬉しくなるお話でした。
それはある株主さんからの質問が、上記の「好きなゲームを教えてほしい」というものでした。任天堂という世界的な企業の役員の方々がどんなゲームが好きなのか、確かに気になりますが、この質問が意図するところは、会社が扱っている商品を役員の方々がどのように考えているのか? ということを聞きたいわけですね。
事業発展、利益拡大のことだけを考えているのか? それともユーザーと同じくゲームを愛し、楽しくワクワクするゲームを作ることに情熱を持っているのか? ということです。
代表取締役社長の古川俊太郎氏は、自社他社問わずさまざまなゲームを遊んでいると答え、その後、他の役員さんたちから次々とゲームの名前があがり、彼らもまたゲームユーザーであること、ゲーム愛に溢れた方々であることが明らかになります。
人によっては、自社の全てのゲーム開発に携わっているので、その中からどれかを選ぶのは立場上難しいと答えつつも、ファミコン時代のマイナーなゲームの名前をあげられていました。ポケモンGOを家族で楽しんでいると答えた方もいました。
自社製品を愛すること
このニュースを読んで、心が熱くなったのは、やはり役員の方々が自社製品を愛していることを実感できたからです。企業ですから、利益を追求することはもちろんですが、会社によっては、利益最優先で、商品や顧客のことがややおざなりになっているのではないかと感じてしまうこともあります。
最近ニュースで話題になる大企業ももしかしたらそうかもしれません。
扱っている商品を大事に思うこと、そしてそれをきちんと表現するということは、今の世の中、特にコロナ禍においてこれまで以上に重要な要素だと思います。
どんな商品を購入する場合でも、この商品は大丈夫か? このお店は信用できるのか?というところを生活者がとても気にするようになってきており、多くのお店で、会社概要などのページの閲覧数が以前に比べて増えてきています。
生活者が、商品を選択、購入する際の下調べとしてどんな会社なのかを探ろうとしているということではないかと思います。
言い換えれば、自社で扱っている商品を大事に思い、プロとして専門的な知識や使用アドバイスなどができる会社であるということが、お店を選ぶときの重要条件だということです。
ウェブサイトには、自社商品への思いが語られているか?
デジタル化が進む世の中において、商品とくに高額品を購入する場合、ウェブサイトの利用が当たり前になっています。このウェブサイトの中に自社が扱う商品についてどのように記載されているでしょうか。価格やスペック、ブランド紹介などに終始しているとしたら、まだ自社を知らないユーザーからすると、このお店がどんな理念や思想を持っているのか? 安心、信頼がおけるお店かどうかを判断することができません。
ウェブサイトを今一度チェックし、しっかりと伝える文章を追加することをおすすめします。
さきほどの任天堂古川社長は、加えて「花札をよく遊んでいます」と答えたのだそうです。
ご存知のとおり、任天堂はもともとの社名は「山内房治郎商店」で、そのメイン商品は花札でした。とても粋な答えをされたな、と思います。
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